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五十肩

「五十肩」とは

 中高年の人が悩まされる肩の痛み、いわゆる「五十肩」は、50歳代を中心とした中年以降に、肩関節周囲組織の退行性変化を基盤として明らかな原因なしに発症し、肩関節の痛みと運動障害を認める疾患群と定義されています。五十肩には特に誘因が認められないことが多く、ときに軽微な外傷の繰り返しの後に肩の不快感や疼痛で発症します。好発年齢は40~60歳代。

  肩関節は上腕骨、肩甲骨、鎖骨の3つの骨で支えられ、肩を大きく動かすために肩甲骨関節窩が小さく上腕骨頭のはまりが浅く、骨だけでは構造的に不安定なところを関節包や発達した腱板や筋肉によって補助されています。そのため、肩の酷使によって炎症や損傷が起こりやすく、痛み、可動域の制限が起こると考えられ ています。また肩関節の炎症は、肩峰下の滑液包や関節周囲の筋肉に広がることがあり、このような肩関節周囲炎が狭義の五十肩と呼ばれています。

 

 肩を動かすと痛い、何もしていなくても肩が痛い、以前動かせたように動かせなくなっている、といった症状のうち骨自体でなく、関節包、肩関節の周囲の筋肉に原因があるものを五十肩(四十肩)といいます。難しい言葉で四十肩・五十肩を説明しますと「五十肩(=凍結肩=癒着性関節包炎)とは関節包の肥厚・短縮・硬化を主病態とし、肩痛・可動域制限を主訴とする疾患」となります。

正 確な統計ではありませんが、広義の五十肩は一般集団における有病率は約2%、そのうち実際には4分の1程度が凍結肩だろうといわれています。中高年に限定 すれば5人に1人が何かしらの肩の痛みがあるというデータもあり、五十肩・四十肩で患っていらっしゃる方が相当多いと解釈できる数値です。

 

五十肩は経過と共に症状が変化するのが特徴です。

①急性期 → 疼痛が主体で可動域制限が進行する(6週~9ヶ月)

②拘縮期 → 可動域制限が著しく進行する(4~6ヶ月)

③回復期 → 疼痛・可動域制限ともに軽快する(6カ月~2年)

と病期が分けられています。いつのまにか痛みが治まってきたと感じるのが、回復期にあたります。

 

五十肩は自然治癒するの?

病期についての説明で「回復期」という言葉にピンときた方は、五十肩は自然に治ると聞いたことがある方だと思います。実際、五十肩の痛みは、自然と治まる場合があります。しかしながら、痛みがなくなった=治った、とはいえません。

治 療を行わずに放置して痛みが自然消退した場合、ほぼ確実に肩関節の可動域制限が生じています。痛みは引いたけれども、元のようにスムーズに動かない、肩を 真上にピっと垂直にあげることができない、腕が耳につかない、などといった状態となってしまいます。(実際は肩が90度まで動けば肘による代償で日常生活 はこなせるようになるので、意識してない方もいらっしゃるはずです。)

これは、五十肩の痛みをかばうことで、長期間にわたって肩関節を動かさないようにしてしまうためです。肩関節を長い間動かさないでいますと関節拘縮が生じます。専門用語では「関節包の癒着が生じてしまう」という状態です。

さらに悪いことに、肩を長期間動かさないことで、インナーマッスルなど関節を動かすために重要な筋肉も衰えてしまいます。これは単純に筋力の衰えということだけではありません。筋肉を正しく動かす能力自体が衰えてしまうことにもつながるのです。

ですから、自然治癒するから、と何もせずにほっておかないでください。回復期を待つのではなく、拘縮期に治療することが望ましいのです。繰り返し申し上げますが、五十肩は、「痛みがなくなる」=「完治」ではない点を是非ご理解いただきたいと思います。

何事にもあてはまることかもしれませんが、治療を行うにあたり発症して時間が経てば経つほど完治への道のりが遠くなってしまいます。関節の癒着が生じてしまってからですと、治療にも限界があるのも残念ながら事実です。理想は拘縮期の初期から治療を開始するのがベストです。

 

五十肩とはり・灸

WHO(世界保健機構)にも載っているはり灸の適応疾患の中にも五十肩があります。

五十肩のどの時期にはり灸をすればもっとも効果的かというと

鍼灸マッサージ治療は急性期と拘縮期の移行時期に最も有効であると考えれています。

急 性期の終盤「一時の激痛は少しおさまってきたが、動かすと痛い」という状況になります。それ以降、急速に関節の拘縮(固まって動かなくなること)が進行し ます。一度、関節拘縮が生じてしまうとそれを元通りにするのは非常に困難です。残念ながら、完全な可動域までの回復が難しくなります。

ですので、症状が変化する、急性期→拘縮期に移行するタイミングにおける“痛みの管理と関節拘縮の予防”が重要です。そのための手段として鍼マッサージ治療は効果を発揮すると期待できます。

 

鍼灸マッサージ治療とは「筋肉をゆるめる」と「血流を増加させる」の2点に特化した治療方法です。これにより痛みも軽減されることが期待されます。

なぜ、痛みが緩和されるのでしょうか?

皮膚に出来た傷を上下左右から引っ張ってみてください。

やらなくても想像するだけで痛いですよね?これは傷口が広がる為に痛みが強くなります。

身体の中でも同じことが起こっています。ケガをした部分の筋肉や靭帯・組織を引っ張る力が加わると傷口が広がりそれを避ける為に痛みとして脳が認識します。


筋肉には連動性というのがあります。一つの筋肉だけを動かすことは出来ないのです。必ず補助筋や周囲の筋肉と連動しながら動作が生まれます。
そのため筋肉に柔軟性や遊びの部分がない硬い筋肉だと動作をするたびにダイレクトに傷口を広げる状態になり痛みが発生します。

それを解消するのが「筋肉をゆるめる」と「血流を増加させる」の2点に特化した治療方法の鍼灸マッサージ治療になります。
「筋肉をゆるめる」ことで柔軟性が生まれ、動きに遊びが出来る事で傷口を引っ張る力が弱まる為に痛みが緩和されるのです。

 

五十肩の治りが遅い理由

五十肩になられた方で鍼や注射・運動療法などですぐに良くなったという方もいれば治療を受けていてもなかなか改善されないという方もおられます。

なぜ治る速さに差があるのかというと、上記にも書きましたが「肩を動かす」という動作はたくさんの骨・筋肉・靭帯で動かされています。

それらが互いに阻害することなく連動し動かすことで広い可動域をもった動きが出来るのです。

そのため、ひとつでも不具合・筋拘縮があるとその影響で肩の動きが悪くなります。

五十肩はその不具合・筋拘縮が複数あることが多いのでそれに合った治療法・運動療法でなければ効果が薄くなってしまいます。

1か月以上治療に通っても変化がない場合は治療法が合っていないのでセカンドオピニオンをお勧めします。

 

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